Eno.730 蘢 龘子の日記

朝日が昇る

徐々に、明るくなっていく水平線を見つめる。
どこか世界が開いて明るくなるようなそんな印象を受けて。
この船旅の終わりと、新たな旅立ちの予感を感じさせます。


「『異なるものは、元いた所へ』かぁ……」




わたしは闘技の世界フラフィウスからここに流されたから
戻る所はそっちなんだと思う。
故郷とはべつのところですね。


「……また、あえるかな?」




手元にある、不思議な石をながめて呟きます。
倉庫に残っていたものを預かる形でもってきたものです。

「わたしがこの世界で渡した御守りは二つ」



ほんとはみんなに渡したかったくらいなんだけれど。
貴重なものだったから、石が全然見つからなくて……

――いえ、それは後にしましょう。半ば愚痴のようなものですからね。

ひとつは、いっくんに渡した『緑石のお守り』



星の記憶を作る様子を見て思いついた。
わたしたちの思い出をたーっぷり詰め込んだ『シマの記憶』のようなもの。

すこしだけ寂しそうだった、あなたにかけるおまじない。
あなたの望みを――もしかしたら、みんなの望みを叶えるものかもしれません。

 『みんなとまた逢えますように――』

この世界で過ごした日々を糧に、元の世界でも前向きに。がんばってね、いっくん!



もうひとつは、ゆきみちゃんに渡した『翠石のお守り』



ゆきみちゃんが見つけてきてくれた石で作った物です。

沢山助けられてしまった分、ゆきみちゃんを助けられるように。
それだけを籠めた御守り。効力はそれに特化させています。

 『どうか、ゆきみちゃんの助けになれますように――』

どうか、元気で!また一緒にお空を飛ぼうね!