Eno.955 メイドの日記

屋敷にて

「そんな訳で、おじょー様。メイは変わった島に行っていたのでごぜーますよ」



箒を手に主人に語り掛ける。完璧な淑女であるメイの主人は、静かに微笑んで話を聞いてくれている。

「コウ様、イッチーたそ様という殿方二人と、像様と、くまー様と、出合いまして。
そこでこんな不思議な石を拾って来やしてね」



そこまで言って気付く。主人の側のテーブルに、乗っている似たような石に。

「えっ……同じ石……。
 もしかしておじょー様も、似たよーな所に行っていたでごぜーますか?
 それなら早くいってくだせー。メイが恥ずかしーでごぜーます」



メイの抗議を聞いているのかいないのか、額縁の中の絵画の淑女レディは、静かに佇んでいた。