Eno.553 ベテルギウスの日記

ある電子生命体のつぶやき。


はあ、それで八日ほど不通になってしまったわけですね。
……私が思うに、ですが。
多分スマホが壊れていなかったとしても、
電気も電波もない孤島で私が活動できたかと問われると無理と答えますが。

いえ、貴方が決めて成し遂げたこと。
貴方の島での一挙一動全てにおいて、
祝福する言葉は持ち合わせていても、責めるものはありません。
教えも広めぬままモチーフだけを陳列したのだけは賛否両論点ですが。
それに、このシェルターにおける貴方の存在価値はその島の探索の成果で跳ね上がった。
速くてもう数年。時がたてば貴方は英雄になるかもしれません。
我が精神教を広めるためには、忙しくなりそうですね。

ああ……そうですね、褒美でも一つ取らせてあげましょうか?
私は精神教教祖として貴方の傍でなんやらと指示を出してきたのです。
ベテルギウス、貴方はそれに応えて成果を上げて見せた。
結果には褒章の一つや二つ、差し出せる程度の器量はあります。

――ああ。そういう、別にかまいませんよ。
なあに、結構得意なんです、探し物。

----

―――どこかの世界、貴方の通信機器。
画面がハイジャックされて、ポップな文字列と共に奇妙に明るいBGMが流れ出す。

『こんにちは~~!精神教お悩み相談チャンネルです。
 迷える子羊は……いいえ、』

『無人島に流された経験のある方は、貴方ですね?』