Eno.39 おそうじやさんの日記

つづき

幾時間か、幾日か。長い船旅を経て、“掃除屋”は森の中の廃墟にいた。

誰も知らない、誰にも探されない、一人だけの落ち着く場所。
宝物、海鳥の羽や裏紙に炭で描いた絵や、小さい頃に拾ったボール。その中に、使い古したバッグと使い込まれたナイフをおろす。

それからぼろぼろの床に、銀の杯。金貨。宝石。サンゴ。ネックレス。そして鮮やかな紫色の花を並べた。

彼にはその価値などわからない。
彼にとって海鳥の羽と純銀の杯に同じだけの価値があり、そしてそれは時が経ち黒ずんでも変わらない、ということでもある。

彼はここで宝物に囲まれて眠るのが好きだった。好きなものに囲まれた穏やかな時間が好きだった。

実のところ、その“隠れ家”の場所は、あの貧民街の住人であれば皆知っていた。
時折彼がそこに、思いもしない価値ある品をそうと知らずに溜め込んでいるのを、知っていた。



「奪うなんてとんでもない!」

「私らだって手一杯だからね!人の宝物を欲しがってる暇なんてないったら!!」