在り方

「――と、言うことで、ノアの言う通りだった。
最早疑う余地もないわね。」

「信じて貰えて良かったです!
…いえ、まずは、無事で良かったと言うべきなのでしょうけど……」

「私はそこらの貴族じゃないんだから、そんな言葉の選び方一つでどうこうなんて言わないってば。
まさか、本当にあんな事があるだなんてね……」

「はい!とは言っても、結局、一部の人にしか信じて貰えないですけどね。
ユーニスさんも、その様子だと……」

「ノアが言って信じて貰えないんですもの、
一平民の私なんて、門前払いよ。」

「ははは……手厳しいですね。
そのような事、本来あるべきではないのに……」

「今に始まったことじゃないから、気にしてないわ。
それに、漠然としてたやりたい事も、少し見えてきたしね。」

「…?やりたい事、ですか…?」

「えぇ、以前、言ってたわよね?
必ず別世界の皆に会いに行くって。それに、ここのやり方を変えて見せるって。」

「……!!!そ、それって、つまり……!?」

「未知の世界の開き方、とても興味が湧いてきたの。
赤のエレメント使いの力、白のエレメント使い様の力になれるかしら?」

「あ……も、もちろんですよユーニスさんっ!
あなたの比類なき赤の才覚、間違いなくこれから必要となるものです!」

「ユーニスさん、ご助力、感謝致します。
私ノアは、レイクロフトの名に誓って、必ずや――」

「あー分かった!分かったから!
そういうかたっ苦しいのはいらないってば」

「まぁ…とにかく、これからもよろしく頼むわよ、ノア。
私達に出来る事から、ゆっくりやっていきましょう。」
かくして、私は友人の意思に賛同し、同じ道を志す事となった。
彼の様に、順調に出来ることは少ないかも知れない。
それでも私は、今回体験出来たことを、このままにしておけなかった。
平民の私が今以上にレイクロフト家とつるむ事、良く思わない者もいるでしょうね。
そればかりか、私の素行次第で、レイクロフト家の名を汚す事にさえなりかねない。
そんな不安を気取ってか、彼は私に声を掛ける。
レイクロフトはそんな事で折れない、と。
彼の力強い返答は、私の背中を強く押してくれた。
この先、どんな蔑みにあおうとも、この意志を持っていればきっと大丈夫。
私も私なりに、自分自身がどう在るべきか、覚悟を決められたのだから。