とある少女の後日談
ガタゴトと揺れる馬車に乗って、風景を眺める。
今日は、東方の使者と会う予定だ。
神殿に戻ることは出来たものの、腫れ物扱いの日々。
実家のローレン家……『見張り』の一族の仕事を、今は手伝う方が多い。

事前に知らされている資料を思い浮かべる。
東方の国で、異なる世界から人や物が流れてくる場所を、守っている一族だという。
自分の家系との共通性を鑑みて、情報交換の場が設けられることになったのだ。

その言葉に、あの七日間へと思いを馳せる。





手元に視線を落とす。翡翠の指輪が木漏れ日に光る。
これのおかげで、厄介な話も舞い込まずに来ている。

島で読んだ膨大な記録を思い返す。
その中にあった、『世界の外』から叡智を呼び込む魔術の話。異界と繋がり、そして滅んだ文明の教訓。

異界と繋がりすぎる。その危険性は分かっている。それでも。
望んでいれば、再会が、叶うのではないかと。

決意を新たに、馬車は進む。
明日の未来へと向かって。

今日は、東方の使者と会う予定だ。
神殿に戻ることは出来たものの、腫れ物扱いの日々。
実家のローレン家……『見張り』の一族の仕事を、今は手伝う方が多い。
「真実、の門の守り人だったかしら」
事前に知らされている資料を思い浮かべる。
東方の国で、異なる世界から人や物が流れてくる場所を、守っている一族だという。
自分の家系との共通性を鑑みて、情報交換の場が設けられることになったのだ。
「異世界から流れてくるもの……」
その言葉に、あの七日間へと思いを馳せる。
「キティラは今どこの世界にいるんだろう。本は書けたかな」
「マリネアはご飯ちゃんと最低限は食べてるかしら……。無理してないといいけど」
「『刺し傷』はまた甘いもの食べてるのかな。結局どう言い訳したんだろう」
「猫ちゃんは……結局謎だったわね。元気でいればいっか」
「カティーテは……」
手元に視線を落とす。翡翠の指輪が木漏れ日に光る。
これのおかげで、厄介な話も舞い込まずに来ている。
「……ま、適当に好き勝手、寝たり起きたりしてキノコ食べたり何か作ったりして、生きているわよね。
このエンラ様と約束したんだから」
島で読んだ膨大な記録を思い返す。
その中にあった、『世界の外』から叡智を呼び込む魔術の話。異界と繋がり、そして滅んだ文明の教訓。
「この世界も他人ごとではないんでしょうけど……。
……でも、一度であった偶然に……二度目を期待しても、バチは当たらないよね」
異界と繋がりすぎる。その危険性は分かっている。それでも。
望んでいれば、再会が、叶うのではないかと。
「さ、ちゃんと仕事をして、立場を固めて、人脈を築いて……。
もう知らない所で他人に巻き込まれて、時世に流されないようにしないと」
決意を新たに、馬車は進む。
明日の未来へと向かって。
「……まあ、150年生きるのは……無理だと思うけど。
でもちょっと、頑張ってみようかな」