Eno.1042 黒子さんの日記

黒子さんは

荷物の準備よし
思ったより海水が残りました

シーグラスはしっかり持って
大丈夫ですね

これで今回のお手伝いも終わり
……黒子さんは、お役に立てたでしょうか

いえ
きっとお役に立てましたね
たぶんお役に立てました

ならば良しです!
次にお手伝いが必要な方の所へ向かうだけですので!


ですが
そうですね
また、お会いする機会があれば良いですね

また、という言葉は、それはそれは良いものですので!





黒子さんの中身
それは1つの身体と1つの命に、無数の魂が宿った存在である

無数の魂は例外なく「生まれる事が出来なかった」魂であり
産声を上げられない、という宿命
生きる事が出来ない、という運命
親より先に死ぬ、という罪業
これが色濃く染みついている

元はそれらの魂の集合体というだけだったが
ある時、とある神の導きで自らの器、命、体を作る機会を与えられた
命とは楽しい筈だ、と、これでもかと寿命も性能も詰め込んだ体を作りあげ
そこに宿る事で、どうにか初の生誕を果たした――ものの

身体は1つ
命は1つ
しかし魂は無数

そう
命の数が、足りなかった

身体の性能を上げに上げていた為、魂の塊自体は収まったものの
これでは体の取り合いになる……と考えた魂の集団
しかも1つの世界に長くいると、宿命と運命と罪業によって大事な命を落としてしまう

よって、考えた結果
魂達は、善行を積む事にした

世界を渡り。渡り。渡り続けながら、その先で善行を積んで
宿命と運命と罪業と。それらをチャラにしておつりがくる程に積んで
おつりが、一般的な生命1つの一生の幸せ分に届いたら、それを魂の1つに集め、切り離す
そうして「誕生」して、幸せな一生を送れば、宿命と運命と罪業は、追いつけない
それを魂が最後の1つになるまで繰り返して……最後の1つが、この身体と命を受け取って、後は自由に生きる
誰が残っても文句なし
そう決めた

だから黒装束に身を隠し、手伝い、助ける
いつか自分の生を、心置きなく楽しめるようになるその日まで