Eno.42 天晴の日記

はじまり

ある港で船から降りる子供の姿があった。
片手にぬいぐるみを、もう片方の手で荷車を引きながら、船に向かって何度もお辞儀をし、去っていく船へ大きく、ぬいぐるみを持った手を振る。

一緒に風呂に入っていたアヒルの玩具、眠るときに使っていたクッションは壊れてしまった。海に物を捨ててはいけないとよく分かっているその子供は、ゴミ置き場でいくつかの所持品と別れを済ませる。


「さあ!ぶろぶ、どこへいきましょうか!」



島に上がったときから一緒だったぬいぐるみ1つ抱え、身軽になって、子供はまた長い旅へと歩き出した。