Eno.57 フテロゥ・テスティオスの日記

嵐の先を

辿り着いた場所で指先をくすぐったのは、ひどく懐かしい海の手触りだった。

なにが巡り合わせたのはわからない。どうしてここへ来たのかも。

起き上がって見た景色は、かつて二人で見たものと違って寸分のずれも無く

双子の星ぼくたちは陽ざしと、雨と、嵐と……そして、空を瞳に映した。

皆をつなぐ者がいた。

朗らかに料理を作る者がいた。

森で言葉を与える者がいた。

失われた歴史から記憶を掬う者がいた。

ひとりになっても歌い続ける者がいた。

それに、再会の願いを告げる者がいた。

すべてが輝いていた。

この、島で。

「またね。またいつか」



いつか、と願ってしまう。

「だから……どうか、元気で!」