日報 ではなく 日記
「………」
銀の盃を部屋に置いた。
「………」
ナイフのぬいぐるみを部屋に置いた。
「…………」
装飾の凝った柄のナイフを部屋に置いた。
「………」
「めっちゃもの増えてないか?」
前回からのセレブレイティアの帰還の後、段々と部屋にものが増えていっている気がする。
その部屋を見て苦笑を浮かべた。
ものが乱雑に置かれている!
のとは無縁塚。
しかし、整頓されたものたちは、どれも捨てるには、ちょっと惜しいものばかりだった。
ベッドに腰掛け、部屋を見回す。
初めは最低限しか置かれていなかった部屋が。
今や結構、色々と置かれていて。
そのどれもが捨てがたい、なんて。
「………」
「昔の俺には想像もつかなんだ」
「つうか、その状態は、嫌うだろうな」
本当に。
その状態を嫌うだろう。
誰でもあらず、誰でもない。
その状態で、人を嗤わせ、駆けずり回る。
その自分には、もう帰れないのだと、思った。
自由な足を失った。
戦争はもう終わってしまったのだった。
それを受け入れても、なお。
なんとなく、体が軋むのだ。
「………」
「………」
「………良かったんだろう、まあ、これで」
ただ。
やけっぱちじゃない、ある程度の肯定を持っている。
自分が好きか嫌いかでいえば、わからないだった。
今は、多分、好きだと答えられる。
結構な肯定を持っている。
自己評価は下より低い方ではなかったが。
楽しい今を生きている。
大切な思い出は、捨てがたいものだと知った。
人のつながりを尊いものだと、理解した。
それを切るのは、あんまりにも切ないことだった。
紡いだ縁を大事にして。
またねの約束を結んで。
未来の出来事を楽しみにする。
「……」
だから、部屋の思い出たちを見ながら、ちょっとだけ微笑んでいる。
思い出を脳裏に浮かべて、楽しかったなって回想する。
それはたぶん、いい時間だった。
またあえたらな、なんて、そんな普通のことを思っている。
そんな、普通を。
…
やっぱり仕事は詰め込んだりするのがいいし。
自分は定められた仕事に目を向けたまま、動き続けるのが一番好きだった。
どうやったってそう言う生き物で、きっとそこは変えられない。
ただ、ちょっとだけできた、仕事以外の好きを。
取っていくのも悪いことではないのかもしれない。
大切にしている。
持っていく。
“自分”を作るための、大切なものとして。
それは普通の人にとっては、なんら、変哲もなくやっていることなんだろうけど。
自分からすれば、やっとスタートラインに立ったような心地だった。
作られた人間。
初めの人間。
ちょっとだけ。
「……よし、」
まあそれはそれとして。
今日もまあるく、誰かを楽しませてまいりましょう。
誰かのお腹を満たしてまいりましょう。
と言うか早く出ないともうそろそろ店長にどつき回されるんだな。
「いくか」
無くした帽子を、もう一回手にしている。
休暇はここまで。
──ピザ屋は、今日も元気に営業中だ。
銀の盃を部屋に置いた。
「………」
ナイフのぬいぐるみを部屋に置いた。
「…………」
装飾の凝った柄のナイフを部屋に置いた。
「………」
「めっちゃもの増えてないか?」
前回からのセレブレイティアの帰還の後、段々と部屋にものが増えていっている気がする。
その部屋を見て苦笑を浮かべた。
ものが乱雑に置かれている!
のとは無縁塚。
しかし、整頓されたものたちは、どれも捨てるには、ちょっと惜しいものばかりだった。
ベッドに腰掛け、部屋を見回す。
初めは最低限しか置かれていなかった部屋が。
今や結構、色々と置かれていて。
そのどれもが捨てがたい、なんて。
「………」
「昔の俺には想像もつかなんだ」
「つうか、その状態は、嫌うだろうな」
本当に。
その状態を嫌うだろう。
誰でもあらず、誰でもない。
その状態で、人を嗤わせ、駆けずり回る。
その自分には、もう帰れないのだと、思った。
自由な足を失った。
戦争はもう終わってしまったのだった。
それを受け入れても、なお。
なんとなく、体が軋むのだ。
「………」
「………」
「………良かったんだろう、まあ、これで」
ただ。
やけっぱちじゃない、ある程度の肯定を持っている。
自分が好きか嫌いかでいえば、わからないだった。
今は、多分、好きだと答えられる。
結構な肯定を持っている。
自己評価は下より低い方ではなかったが。
楽しい今を生きている。
大切な思い出は、捨てがたいものだと知った。
人のつながりを尊いものだと、理解した。
それを切るのは、あんまりにも切ないことだった。
紡いだ縁を大事にして。
またねの約束を結んで。
未来の出来事を楽しみにする。
「……」
だから、部屋の思い出たちを見ながら、ちょっとだけ微笑んでいる。
思い出を脳裏に浮かべて、楽しかったなって回想する。
それはたぶん、いい時間だった。
またあえたらな、なんて、そんな普通のことを思っている。
そんな、普通を。
…
やっぱり仕事は詰め込んだりするのがいいし。
自分は定められた仕事に目を向けたまま、動き続けるのが一番好きだった。
どうやったってそう言う生き物で、きっとそこは変えられない。
ただ、ちょっとだけできた、仕事以外の好きを。
取っていくのも悪いことではないのかもしれない。
大切にしている。
持っていく。
“自分”を作るための、大切なものとして。
それは普通の人にとっては、なんら、変哲もなくやっていることなんだろうけど。
自分からすれば、やっとスタートラインに立ったような心地だった。
作られた人間。
初めの人間。
ちょっとだけ。
「……よし、」
まあそれはそれとして。
今日もまあるく、誰かを楽しませてまいりましょう。
誰かのお腹を満たしてまいりましょう。
と言うか早く出ないともうそろそろ店長にどつき回されるんだな。
「いくか」
無くした帽子を、もう一回手にしている。
休暇はここまで。
──ピザ屋は、今日も元気に営業中だ。