Eno.17 明けぬ夜の灯台守

流転する星について

──星は流れる。

──海は揺れる。

──星は動く。

──遠くの空にある。


──人の手の、届かない、遥か遠くにもあるのだという。



私たちはきっとそれらを知りたがったのです。
知識があるということは、欲は絶えず生まれ続けるということでした。
私たちは知りたがりでしたから。
全てを知る必要はないけれど。
謎があれば解き明かしたくなる生命体なのでしょう。
だから求めます。
だから飛ばします。
宙の果てに。



同じくらい、海もまた未知の宝物庫なのでしょう。
空よりずっと近いのに、深いところまでは存じ上げない。
沈み、沈んで、暗いところに、向かっていく。
海水の冷たさと、上にある水の圧で潰されるような世界に、人は向かうのはなかなか難しい。
けれどもそこには歴史があります。
古きを伝える星の記憶。



──星空と深海の関連性。
星の海と言われるのも良くわかる話でした。



まあそんなことは置いておいて。

うっかり、波止場で足でも滑らせたんでしょうよ、これは。