Eno.315 グリーデ

◆プロローグ

「うむ!見事に遭難したな!!」



部下と共に、南西地区『ヴィーシア』にて偵察と交渉をしに足を運んでいたが。
部下の特異体質である「迷子になると異界に迷わされる」という事象のせいで
この砂場へとたどり着くこととなった。



「しかし、この光景は懐かしいな」



島国はともかく、海は我の友である
ドックシープ科のクライネクルークと共に旅をした日々を思い出す。

あの時は、何もできずに、ただ、明日の食事を探す日々であったが。



「……さて、この島を脱出し、元の世界に戻るぞ」




今は、動く理由が、己にはあるのだから。