Eno.26 アルセ・K・ディアス

眠る前に考えた事

まずここはどうやらまともな場所では無いらしい。魔法がほぼ使えない、それにテレパシーも使えなかった。

幸いこの場所に以前来た事がある人物が居た上に、彼は協力的だったので最低限消滅する心配は無さそうだろうか。

他の漂流者達も少なくとも敵対的では無さそうな上に、この状況にも関わらずパニックを起こしている人物も居ないようだ。まさかルナエッタもここに来ているとは思わなかったが。

しかし、まさか実体化を解くことすら出来ないとは思わなかった。本来はこうして実体化する事が俺の能力であり「不思議」な訳なのだが、この島から見れば普通の人間に近い方が「不思議」では無いからか逆に俺に実体化を強制しているらしい。

こうなると周囲の環境にも気を払う必要が出てくるだろうし、眠るだけではなく、食料や水も必要になる。休んだら色々と探索しなければ。

早く帰って家族に会いたい。