Eno.76 アルジェント

とある貴族の手記 2

◆ 島に流れ着いていたボロボロになった手記より抜粋 ◆

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父の無駄に集めている骨董品をいくらか売れば、
多少食料を買う余裕が出るか…と納屋を漁ってみたところ、
古めかしい本が一冊出てきた。タイトルは劣化してわからない。
しかし中の文章は特に欠けている様子はなく、
歪な文字にもかかわらずすらすら読める。…気味が悪い。
内容は悪魔の召喚、らしい。父の蒐集癖にも困ったものだ。
こんな胡散臭い本に大枚を叩いて買ったのだろう。

…オカルトがすぎる。こういうものは信じないたちだ。
しかし今の私にできる事などほとんどない。
この本に書いてある通り悪魔が何でも願いを叶えるのなら…。
眉唾物だと分かった後に売ってしまえばいいのだ、こんなものは。
…試してみるだけ、試せばいい。

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◆ この先はボロボロになっていて解読ができない ◆