Eno.166 セロカ・ネイ

1-1:状況把握

立ち並ぶテントの山。
慣れた様子の面々。
そして、そんな面々の面影がある石像。

ここは僕の相棒がバロメッツ探しのために訪れた島らしい。

ジーランティスの世界特性的に、同一の島ではないのだろう。
世界特性が石像だけ再構築を行い、それに縁のある者を呼び寄せた――そんなところか。

僕がここに来てしまったのは、僕のそばに相棒がいたから。
けれど呪文詠唱に失敗し、世界転移したのが僕だけだったからと推測される。

これ、転移魔法が普通に成功してたら、相棒共々ここに来ていたのでは??

とりあえず、僕はここではただのエルフだ。
あまり無理はせず、怪しまれないように、まずはこの島の者たちと打ち解けねばなるまい。