Eno.328 天使グッドラック

ひとつめの幸運

俺は幸運だ!
どうやらここは無人島であるらしいが、なんと他にも流れ着いてきた者がいたのだ。

1人目はシルクという、青い髪の少女だ。
なんと幸運なことにテントを持っており、俺たちのために真っ先に建ててくれた。
師匠から渡された斧で颯爽と木材を集めに行ってくれたり、たくましくて頼れる女の子だ。
怖いもの知らずなわんぱくさは、昔の妹を思い出す。

2人目(人?)はわしししょうと名乗った、鳥だ。
どこからどう見ても師匠としか言いようのない言動だ。サバイバルにも詳しい。
目覚めたその日に火を扱えたのは、師匠がコンロを作ってくれたおかげだ。
じいちゃんがボケる前は、こんな感じだった気もする。

俺は幸運なことに、皆に火の通った食べ物を用意することができた。
焼くだけでなんとかなってよかった。しかしオカンに料理を教わっておくべきだった。
幸運の天使をしていると、衣食住に困ることはないからな……。

俺は幸運だ。
頼れる仲間に囲まれて、安心して眠ることができる。

いや一つだけ悩みがある。拾ったヒトデのことだ。
食べられないし海に帰すべきなのはわかっているのになぜか気になってしまう。
じいちゃん、プロデューサー、誰でもいいから助けてくれ。
ヒトデが夢に出る。