Eno.337 或る虚伝より生まれ抗うモノ

No,01_ふざけんな

なんで、よりによってこんな事態になってるんだか。
溜息しか出ない。

“画廊”のホールを散歩していた、其れは良い。
ホールに在った絵画から何か出てきて応戦、其れもまだ良い。
追い込まれた壁際と思っていた背後に“絵画”が在った、其れは単に俺達の注意不足だ。

だが。

其の“絵画”がKUSO暑い絶海の無人島に通じている、なんてのは想定外だった。

しかも、転移したのは空。
一緒にいたショゴルークが咄嗟の判断で俺を包んだ為に、海に落ちてずぶ濡れ――という事にはならなかった。
だが。

暑い。
KUSO暑い。
何はなくとも暑い。


其れだけで、俺にとっちゃ最低最悪な環境だ。
其の上、魔法の類は一切使えないと来た。
最悪が更に最悪になった。

……どうやって、戻れば良いんだか……