Eno.528 わしししょう

めざめてそしてねむるわし

わしが流れ着いた島は、絶海の孤島だったようです。
見つけたボトルメッセージに、そう書いてありました。

「人のいない島に流れ着くことは…遭難と言うのじゃ!」


けれどわしはひとりではありませんでした。
ふたり、遭難仲間がいたのです。

「てきぱきとして明るい若者じゃ。頼もしいの。
 ワシも師匠として、正しく導いていかねば…」


そんな師匠気取りをしつつ。
仲間の組み立ててくれた安全なテントの中で、
仲間が見つけて焼いてくれたイカでおなかを満たして。

すやり。わしは、のんきに眠るのでした。