Eno.53 ノア・イトゥドノット

3:僅かな希望[ノア,ネムレス]

蒸留器を作り海水から真水に精製出来るようにした
あの鳥人クロウには感謝している………筈だ感情が分からないけれど
嘗ての私なら彼に感謝していたと思うからという理由からなのだが


…水、生きる者にとって食糧と同じくらいに欠かせないもの
まあ…私はさほど必要ないだろうが
何せ『死なず』だから終われない
否…手段はある
その手段をまだ得てないだけで
…探さないとな、手段

彼は淫魔から嘗て教えられた事を忘れているのか
最早、何も期待したくないのか希望を持ちたくないのか
処刑人は死神に感情愛や欲などを削いで貰い
感情や愛が分からなくなったまま
他者からの『かくあれかし』を結局、演じながら終われる手段を
死に場所を探していた


[ノア]




あのノアって人
『中々に付け入る隙が無い』
既に心は磨り減ってぼろぼろで
幸せや希望など見出だせないであろう状態なのに
やり残しや約束、ヒトならあるべき終わりに縋って歩みを止めてくれないんだ
否、止まろうとしないんだろうね…アレは
………どうにかして取り入りたいけど
不信が強すぎてダメかもとはいえそれすら叶わなかったらきっと"折れて壊れてしまうだろうに"、誠実過ぎるのも難儀なものだね
まあ、壊れちゃったら貰っちゃえば良いか、なんて☆ミ
他の子達は…うん、まだ大丈夫そう?かな
不安定になってきたら
沢山、癒そう、愛そう
其れで君達が立てるなら其れで良い
ダメそうなら出来る限り支えたい
それだけさ

[ネムレス]