Eno.559 アスター

漂着

マイト、愛する妻よ。気高く可憐なる藤紫よ。
クリスフィア、愛らしい娘。美しく勇敢なる白金よ。
クレフィオルト、誇らしい息子。慈悲深く冷静な黄銅よ。

あなた達のもとに帰り着くまで、私がこの脚を止めることはない。
もう一度 皆で写真を撮ろう


──


闘技の世界で、異世界渡航のチケットを貰った。

「これがあれば、お前は、痛い思いをしなくて済むんだよ」

家に帰ることを願った。しかし、10年以上続く呪いはやはり解けないらしい。
辿り着いたのは奇妙な祝祭の世界だった。
ポーンだかヘレンだか言っていた。そこも大して変わらなかった。
5人対5人の対戦のはずが、対戦相手が妙に大勢で現れて、抗議もできず殲滅された。

……そうして気がつけば、ご覧の有様だ。
私はいつになったら家に帰れるのだろう。