0:前日譚
「アタシの次の任務先、
ジーランティスって場所だって。
知ってる?」
「知ってるよ。去年か一昨年に報告書あがってた世界だろ。
浮き沈みするシマが大量にある絶海の世界ってやつ。
色んな世界から色んな物が無人島にナガサレてるとかで
上も気にしてるんだってさ。」
「え~!何それ面白そう!」
「気楽だな~。無人島だぞ? わかってるか?」
「わかってるわかってる!
異世界の物かぁ~、お宝とかあるのかな?
お土産持ってこれたら持って帰るね!」
「仕事だってこと忘れるなよ?
……そういえば、ジーランティス内は
魔法とかそれに類する力が
上手く作用しなくなるんだってさ。
俺たちの飛行も上手くいかなくなるらしいから、
うっかり隊列からはぐれないように気を付けろよ。」
「だーいじょうぶ!
アタシ飛行訓練はいっつもトップだし!」
「……というか、
次行く場所に関する資料ぐらい
目を通して置けよ。」
「あとで探して読んどく!」
「いや後でじゃなくて今すぐ──」