Eno.16 ミオソティス

【2 無茶と焦り】


 生きていくのは大変だ。
 特に、こんな過酷な環境に於いては。
 僕は何にも出来ない子だけれど、
 みんなを支える為に、少しでも動きたい。

 無茶をする仲間が増えてきた。
 みんなで帰りたいから、
 なら、僕ももっと頑張らないと駄目なんだ。

──みんなは僕なんかとは違って、
 死ぬ運命なんて背負ってはいないでしょう?


 生きていられるみんなの為に、
 信じているみんなの為に、
 僕に出来ることは、何か──

「……誰かの力に、なりたいんだ」



 罪を犯した過去がある。
 それだけで、贖罪になるとは思わねども。