Eno.76 アルジェント

とある貴族の手記 4

◆ 島に流れ着いていたボロボロになった手記より抜粋 ◆

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悪魔の力はとんでもないものだった。
何もないところから金貨どころか金の塊を出現させる。
まやかしの類ではない、本物の金だ。消えて、なくならない。

悪魔に私はこの金貨を使って領民を飢えから救いたいのだと告げた。
するとやつは心底嬉しそうに笑いながら、さらに金貨を出してくれた。
最初こそ悪魔は信用に値しないと思っていたが、こいつは別かもしれない。

兎も角これを領民に平等に配れば、きっと皆救われるだろう。
父や母とは違い真っ当な貴族であることをここに証明するのだ。
悪魔と契約してでも領地を救った男として語り継がれるに違いない!

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