Eno.256 三巳 千葉

ひとりごつ

「………」


「なんかばり信じられんことになったな……
遭難?漂流?沈む無人島?……夢か?夢っちゃんね?



「……いやいや、多分現実ばってん。飲んだ水ん感覚も食べたきのみの感覚もリアルすぎたし。逆に夢な方がえずかくらいばい」

「俺ん記憶ん中では海どころか川や湖にも近づいた覚えはなかっちゃけど……ばってん、気絶した衝撃で記憶ちょっと飛びよーと?」


「…………」


考えるだけ無駄か……」





「とはいえ、同じ漂流したっぽか人たちと話しよったら、少し冷静になれたような気ぃしちゃるけんね」

「なんか……余裕ある人が多かってか、穏やかな人が多かっちゃんな。正直、ばりありがたか」

「いやまだまだ水や食糧の安定供給とか島の出る方法とか不安要素は積もるばかりばい、悠長なことは言うてられんばってん……」



「まあけど……こげん極限的状況に置かれてんだ。頑張るしかなかも確かばい」



「……どうでんなれえ」