Eno.625 Leonhard.H.P.

船旅の終わり

私は旅を続けた。

土地勘もない状況下、住みよい陸地はそう簡単に見つかるはずもなく、想定した以上に長い期間を過ごす運びとなってしまった。

私は旅を続けた。

人気のなくなった船は少し寂しくもあったが、それでも今の私にとっては唯一の居場所だった。

じっと魚を待ち、降る雨を飲用とし、そして——時にあの島にいた彼らのことを考え。
コーヒーが飲めないことさえ除けば、非常に気ままで穏やかな時間を過ごしていた。

私は旅を続けた。

海の上を、船で、もう何日?
その感覚すら失った中、ところどころに小さな違和感を抱くようになり始めた。

——おや?

一つ一つは小さいものだが、積み重なれば看過できないものとなる。
原因には都度対処を試みはしたが、所詮は素人の手筋。劇的な変化を起こせるような奇跡など起こりようもない。

私は先を考えた。

——参りましたね。

運命が不可避で、かつ目前に迫っている。
覆る余地もない状態で、私は



——彼らに再会した時、どうお伝えしましょう。