【3 ささやかな安寧】
頑張って動いてたら疲れてしまった。
そしたらネムレスが、
ここで休んでいいよってしてくれた。
ネムレスは僕の身体をお母様みたいに優しく撫でて、
起きるまで隣に居てくれたんだ。
……そんなの、いつ振りだろう。
安心出来た、嬉しかった。
ネムレスのお陰で、穏やかに眠れた。
「……ありがとう」
嬉しかったんだ、僕は。
◇
嬉しいけれど、怖いのは。
己が定めた結末を、分かっているから。
“みんな”で無事に此処を出よう。
“みんな”で生きて帰ろうね。
“みんな”で
“みんな”で
一緒に──
ゆめみているのは。
でも、ねぇ、僕に優しくし過ぎないでよ。
──揺らいで、しまうじゃないか。