Eno.328 天使グッドラック

ふたつめの幸運

俺は幸運だ。
どうにかこうにか、無人島を一日生き抜いた。

シルクも師匠もふたりともたくましい。
窯に焚き火に倉庫に、シルクは拠点をどんどん便利にしてくれる。
師匠はその持ち前の知識からか、便利な道具を器用に作ってくれる。
俺はというと、運よく食べ物を用意できたくらいで、ちょっと不甲斐ない。

だけど、師匠が釣り竿を渡してくれて、シルクはよくお腹が空くというから。
役割を任されたからには、俺も頑張るしかない。
サメしか釣れてないけど。食えるところが多いからいいことではあるのか?
俺の口にはちょっと合わないんだけどな。贅沢なんか言ってられないけど。

幸運を感じてくれてるといいんだけども。
それが俺の使命だから、どうしてもそれが気になってしまう。

だけど一番優先すべきは、皆で生き残ることだ。
俺たちには幸運なことに、火も水も食べ物もある!
だからきっと大丈夫だ。