Eno.356 舟渡しのスティラムス

【第3章】陰る上空、夢見る海原

資材や食料、飲み水を確保しつつも着々と設備が揃ってはいるが、
やはり度々消耗した者、疲弊した者が出てくるような状況だ。
この采配の加減が今後の活動にも重要となってくるであろう…
吾輩も倉庫を増設したり、食料の加工、調理等を行っていた。

しかしこの地には雨が降り注いでしまった。
天から降り注がれし雫は、この環境では
我々の体を冷やし、消耗を早める脅威となり兼ねない。
だが、雨水を蓄える事が出来るという絶好の機会でもある。
出歩く時は対策を怠らぬ様にしつつ行動する事にしよう。

…そんな中、イカダを作り、離れ島に出向こうとしたが居たのだ。
吾輩もイカダ作りには興味があった故、作る手伝いをしていたのだが…
いや…イカダを作り上げただけで無く、
自ら率先して試運転をしに行くとは…しかも雨天に。
その勇気は賛美に値するであろうよ。

しかし…イカダか…
櫂を手にする事が多い身としては…やはり魂が疼くというものだ…!