Eno.466 ヨッドラン

これが夢だというのなら


それはそれで、悪くないとも思えるな。

ここにはあの化け物どもはいないし。
心ない言葉も、畏れも蔑みも、罵倒も礫も飛んでは来ない。

助けようとして手遅れになることも、それを責められることもない。
間に合っても、別に感謝もされないし。

欲しいのは感謝でも評価でもないけれど。

死んでほしくない。
死にたくない。
でも生きる意味はわからない。

酒は全てを曖昧にして、なにも考えなくていいようにしてくれた。
ここにはそれがない。
代わりにひたすら魚を焼いて水を作って。

都合の良い夢だろうか、やはり。これは。

私は……。