Eno.562 ナナシ

4.一山越えて

 飴作りをしていることで、いつ誰かが欠けてしまうかもしれない状況でも平静を保ちつつ、この場所について考え続けていた。
酒の精とか、魚のようなモノとかここそのものが異世界の一部かなと思ったがそこから先の記憶がない。流石に疲れが溜まっていたんだ、一昔ならこんなにも誰かのために動くことなんてなかった。

 ちがう、動く必要がなかった。

 寝ている間に当分もちそうな量の燃料が投入され、付随する汎用材料も増えてた。文献で得た知識の記憶を便りに、橋を作り出し雨のなか設置、あとは魚を食べてみたりしながら雨が抜けるのを待とう。