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おい、フクジュ
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どうされました、ケンスケ
思えば、あの深海に連れ去られてから、幼馴染である彼とはずっと一緒だった。
彼は僕よりも、背が高かったのに、随分小さく可愛らしくなってしまった。
あの子からは、ラッコ先生なんてよばれて、僕は、フクジュ先生と呼ばれて。
ラッコ先生――ケンスケは、いつも冷静だった。
僕よりもずっと、頭が回るし、僕よりずっと察しがいい。
こんな姿になってしまったなら、戻る方法もないから
だから、死んだほうがましだ、と言った僕を叱ってくれたのを覚えてる。
頼りになる幼馴染だった。
生きる事だけ考えろって言ったくせに、僕より先に、あの子のために命を落とした。
直ぐ追いかけた僕も、同じだったけれど。
『誰も犠牲を出さないようにする』
『そんで、皆で、ここを脱出するんだよ。わかったか、それ以外考えんな』
なんだか、また同じことを言われている気がした。