Eno.166 セロカ・ネイ

3-1:消えた嵐の匂い

風が荒ぶる水と光を連れてくる。
精霊の囁きが聞こえたが、不思議なことに消えてしまった。

世界特性が介入したのだろう――今嵐が起こると、大勢の漂着者が死ぬと。

この世界は何を企んでいるのだろう?
相棒の推測した通りなら、他世界のものを呑み込み再構成するだけなら、生存の有無など問わないはずだろうに。

漂着者にモノを作らせ、創造のチカラを高め、その反動で破壊神を蘇らせる。そんな話もどこかにあったような。
ま、さすがにそれはないだろう