Eno.181 潮彩のリューカ

心に秘めた、ささやかな

某国の大会の代表になったわたしは、ついにヒュマモンバトル世界大会に出ることになった。
わたしは大きな船に乗って、初めて外の国へ行く。
途中、船酔いしたり事前インタビューを受けたりで大変だったけれど、
ニュースで自分とリヴィラナ――リヴィエールの記事を見る度に、気分はすっかり有名人だ。

ここに集まるテイマーとヒュマモンたちはひとりひとりが強敵だ。
それでも――わたしの願いが叶うまで、あと一歩。絶対に勝ってみせる!!

見ていて、母さん。わたし、世界で一番すごいヒュマモンテイマーになるんだから。

予選、一回戦、二回戦、準々決勝、準決勝。

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地方戦や国内戦を超える激しくも熱いバトルを勝ち抜いて、わたしたちはついに決勝の舞台へと出た。

私が破ったコンビはみんな、唯一無二の強い絆で結ばれていた。
国を背負って、自分の大切な願いを賭けて戦っていたんだ。
その想いも、わたしが受け継いでいく!

「この戦いに勝って――願いを叶えたら、████は何をしたい?」

リヴィエールが言った。

「それは、内緒」とわたしは返した。何をするかは決まっていた。
わたしは母さんとリヴィと一緒に、いつまでもおだやかに暮らすんだ。
ホントは父さんも入れたかったけど、それはちょっとわがままかな。
話したらきっとありきたりだと笑われるだろうけど、わたしにとっては大切だから。

意を決して、決戦のバトルフィールドへと立つ。
苦手だったピリリとした緊張も、今ではいいスパイスだ。
深呼吸する。わたしたちは、いつも通りにやるだけだ。


――最後の戦いが、始まる。