Eno.249 ゼルカ

5:後悔※

最初はまだ俺があの町にいた時。
孤児の頃からずっといる弟の誕生日の為に少し大きな街に行ってプレゼントを作ってもらったあの日。
……軽い足取りで帰った。でも町が、家が見えた瞬間。
走って、瓦礫になった建物の中を、走って、叫びながら、名前を呼んで、見つけた時にはもう間に合わなかった。
アレのせいで苦しんでる弟を見て、助けたい気持ちで頭が真っ白になるくらいパニックになって…でも助かる方法は一つしかない、1番やりたくないことだった。

「お願いっ…ぃ…を傷つける前に…僕を」

出来るわけがなかった。

この時俺は思ったんだ。

世界は…残酷なんだって…。

この世界に神なんてもんは何処にもいないんだ。
あるのは汚く薄汚れたクソみたいな教え。

みんな、それに縋って生きてたんだ。

結局、もっと苦しませることになって…そのあとはもう…。
















…次こそは何があってもって思ってたのに、
あの時も俺は迷って結果的に見て見ぬふりをしてまたやらかしたんだ。

バカなりに考えた答えはうまく届くかわからない。
それでも俺は…後悔しない選択をとるって決めた。
相手に何を思われてもいい。

だから……。