Eno.328 天使グッドラック

みっつめの幸運

俺は幸運だ。なんとサンドイッチが食えた!
俺が森で拾った実を捏ねて、
シルクが作ってくれた窯で焼いて置いておいたら、
師匠が野菜と肉と一緒に挟んでくれた。

倉庫が広くなって、物資にも余裕ができてきた。
皆で集めた素材で、よく切れる斧ができて、
それで丸太が集まって、いかだを作ることができて、
スコップを作って粘土を集めて拠点の壁を強くして……。

俺は幸運だ。皆で助け合えている。

シルクが島に名前をつけてくれた。
『幸運と知恵と筋力の島』だ。
こうやって生き残れたのも、ふたりの知恵と筋力のおかげだからな。
その中に俺の幸運が名前として入ってくれるのは、ちょっとほっとする。

灯台ができれば、助けが来るんだろうか。
救助が来たその時が、俺たちの本当の幸運な瞬間であることには違いない。
まだへばっちゃだめだ。元気に天使を全うしなきゃな。