Eno.356 舟渡しのスティラムス

【第3章】生活は一利一害 けれども潰えぬ光

島の者達の尽力の成果もあり、
初めの頃に比べれば随分と快適な生活を送れる様になった。
吾輩も氷室を作ったり、道路で森の道を整えたりしていた。
これならば船が通る時まできっと持ちこたえる事が出来よう。
この者達とは今後も良き関係を築いていきたいものだ。

それと、イカダを橋に作り替えた事により、
この島から見える離島へと出向くことが出来るようになった。
クラファン号よ…主の事は決して忘れぬ…
離島は拠点を構えた島とはまた違った景色を感じ、
環境も随分と異なる様で、中々に心躍った。
此処では木の実や草花が豊富に集まり、資材類も集めやすい環境に感じた。
今後も度々出向く事になるであろう。

しかし、落ち着いてたと思っていた雨が再び降り始めたりもした。
以前に比べれば雨天の時の環境もよくはなったが…
問題はこれよりも深く…濃い雨雲が一瞬見えたような気がした事だ。
気のせいだとは思いたいが…可能性が無では無い事が恐ろしい事だ。
…だが、その様な困難が立ちはだかっても、この者達となら乗り越えられる…
そうだと信じているのだとも。