Eno.593 篠村有夢

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幼い記憶。

僕が故郷に居た記憶。

燃え盛る炎。焼け焦げながら燃えていく。

そんな地獄の記憶。


それが何度も何度も。夢の中で繰り返される。

僕を救い上げてくれた養父も。同じ経験をした義理の兄も。

大事な存在で、苦しみを和らげてくれる。

でも。

彼らが見ているのは僕ではないことを私は知っている。


……夢を見なくてすんでいる今はとてもいい。

楽しい時がそうさせてくれてるのか、この島がそうさせてくれているのか。

どちらにしても。

終わりは近づく。

終わらないでほしい。でも、終わるのならば。

僕はこの島で得た想い出を糧に頑張りたいと思う。






負けるものか。過去になど。