Eno.231 けだま まひる

花に嵐の

目が覚めたら、寝る前に置いたマネキン達はいなくなっていた。
水着着せた子は残ってた。この島の人達の温かさを感じてちょっと泣きそうになった。

でも、いくら愛着が湧いたとはいえ、助けが来た時にこの子を連れていけるかといえば、多分無理だ。
この島では心の慰めになっても、向こうではどうだろう。

この気持ちは多分、通学路にあった思い出の樹に向けるような気持ちなんだと思う。
いつもあったものがいつかなくなる。
いつか別れの時は来る。

これからも脱出のためにできることをやろう。
私を待ってる推しや家族と、ここで見送ってくれるこの子のために頑張ろう。

サヨナラだけが人生だ!


…とか考え事してたら海に落っこちてもうダメかと思った。
油断ダメ!絶対!
…やっぱり危機感麻痺してるわー…