Eno.5 烏丸 夜交

烏丸夜交の黙示録Ⅲ ☤多様性の集まる場所☤

「流島高校。
 この学び舎の特徴は“多様性”だ」


「だがその多様性の“真に意味するところ”とは…
 そう、あれは創立の翌年、2021年のことだった」


「当時、俺は京都の中学に通う3年生だった。
 あの晩、俺はいつも通り四川ラーメンを食べに近所の」


ポッ・ポポ・ポー!!


「うわびっくりした! やめてよぉ。
 あぁ~はいはい。お前も当時居たねぇシャドウクロウ!」




「えーっと、まぁ省略するか…まぁそんな感じで……
 この高校には、さまざまな事情の連中が集まっている」


「……正直、最初はこの島流し事件も……
 誰かに起因しているのではないかと疑っていた。
 だが、どう考えても異変の“核”となる者がいない」


「強いて言うなら、永埜目が少し気になっていたが……
 俺の心がそれを否定している」


「宇宙人のなずむやワオも怪しいっちゃ怪しいが、
 この事件はそういう怪しさとは毛並みが違う」


「ドルイドの呪術とも、この神隠しは技術体系が異なる。
 諏王はちんちんが違う」


「残った可能性としては、デスサッカーの神隠しドライブシュートと異界送りドリブルか……
 いや、ありえないだろう。
 あれらの技はもう、666年前に起きたあの事件以来───」





「……つまり、学校の連中に原因がない事はハッキリしている。
 これ以上の調査は無駄と判断し、ここで打ち切ることにする」


「……あとは、生き残るだけだ。
 いつもどおり、異界の“ルール”に従ってな」