Eno.675 卜部 つばめ

走り書き

一応、手帳に書き残しておこうと思う。
不思議な経験で、不思議な遭難だからな。
今後同じ出来事に巻き込まれるかも分からないしさ。

記憶の輪郭も幾らか明瞭になった。
同僚である『異端喰らい』から託された仕事オーダーを熟す前。
いや、後だったかも?とにかく曖昧なんだ。何してたか、とか。

確か、確か、聳え立つ門をおれは視た。
門の向こうは真っ暗で、でも、耳を近付ければ波音が響いたような。
そりゃあ好奇心に身を任せちまうよな。勿論門を潜って暗闇に足伸ばしたさ。

んで、このザマだ。
でも、ここでの暮らしはそんなに悪くないんだ。
魔術が扱えないのだけは難点だけど、見たことのないものや人ばかりで、
掻き立てられた好奇心が疼いてしょうがない。出て来る飯も美味いしな?

しかし、残された猶予は然程多くない。
この島って7日で海の底に沈んでくらしいんだ。そういう伝承が残ってる。
さて、どうしたもんかと考えて早三日経過した。
さて、どうしたもんか。……進捗、ナシ!