Eno.197 小瀧と南海

行動記録:三日目

小瀧の手記

島の天気が変わりやすいと書いた気がするが、この拠点の状況も一日で随分と変化が起きた。
強度の増加もさることながら、このような場所で風呂が用意できるとは考えてもいなかった。溜まった汗や汚れが流せたのは幸いだ。
皆の行動の賜物であるのは確かなのでそこは素直に感謝するばかりだ。

最初は本当にどうなる事かと不安ばかりだったが、拠点や水、食料の安定と共に少し余裕をもって周りを見ることが出来るようになった気がする。
漂着した状況から考えてもこの場所が自分の知る無人島とは違うという事は感じていたが、やはり不思議な場所である。
人も動物も無機物も海を通じて引き込んでいるような島。だからこそ豊富な資源が存在するのだろう。植生も、まるでこの島に迷い込んだ生き物に合わせて変化しているのかもしれない。

離島への道も白糸さんが作ってくれた。開発が得意な彼女らしい。とても頑張ってくれたのだろう。あの場所もこの島とは違う植物が多くみられた。もう少し詳しく探索を試みてもいいだろう。


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南海の手記
ボトルに入っていた手紙を信用するなら、そろそろ外部に伝える用意も考えるべきだろうか。拠点もまだ気になる所はあるが、概ね必要なものがそろったと考えていい。離島も気にはなっていたが移動手段が用意された。彼女の思わぬ成長を見られたのは嬉しい誤算である。

もう少し罠を用意したい気もするが、補修を考えるとあまり作り過ぎもよくないだろうか。探索の効率ももう少し考えた方がいいかもしれない。