Eno.331 流月

セレクト・ウィズ・ハート3


同時刻 ■■■■より

『もう観測をする必要もないか?』

『そうだな、あれはもう私の物語ではない。全く別の物だ』

『こういった未来もあるよ、って事だね。孤高な君にしては珍しい』

『そういうわけじゃないさ』

『ふむ、そういった余裕がなかったのかな?』

『そうだろうな。生きるってそういうことさ』

『向こうの君は随分と捨て身なようだけどね』

『やりすぎない範囲で抑えているようだ。やりそうなことではあるわな』

魔女はさも当然のように笑い、

『まあ、必要がないかどうかはまだ分からないと思うよ』

魔術師もまた、それを当然のように受け流した。