Eno.328 天使グッドラック

よっつめの幸運

俺は幸運だ。
皆の協力の甲斐あって、あの離れ小島に橋をかけることができた!
一番乗りも譲ってもらって、色んな変わった植物を集めてこれた。
師匠が作った石臼で、木の実をすり潰したら砂糖みたいに使えたりさ。
シルクが採取した冷たい花で、猛暑に耐えられる涼しい部屋も作れた。

俺は幸運だ。いいものをたくさん拾えた!
刃物を研ぐのに使えるなめらかな石、パンのもとになる木の実、
たくさん水が入るドラム缶、罠にかかってたイノシシ……。

それ以上に。
俺は幸運だ。ふたりと助け合うことができて。
シルクはやりたいことにまっすぐでいいやつだ。手助けしたいと思う。
うっかり、飴をくれた師匠のことをじいちゃんと呼んでしまったな。

いいやつらで本当によかった。
俺は幸運を持っていると勘違いしてしまいそうになっちまう。

「……ヒトデ」


「聞いてくれるか。
 俺は本当は、幸運の天使じゃない……」