Eno.441 クリー

墓守犬

チャーチ・グリム
またの名を墓守犬などとも呼ぶ。

燃えるような紅い瞳を持つ、多くは犬の形を、あるいは馬など、人に馴染みのある姿を取る妖精の一種。

此処ブリテンにおいて、墓地に最初に埋められた者は天国へ行かず墓地の番人となる。
故に、身近な生き物が選ばれる。
そしてそれは、例えば犬であったり。

1XXX年、新設されたこの墓地も慣例にならい、一匹の犬を埋葬する。
これから先、死者を守り、導き、悪しき者から守ってくれることを願って。

──そうして一匹は死に、二人が産まれた。