Eno.451 船長

船長の眠り

生きてるヤツらに囲まれて、生きてるように飯を食う。
あんまり生きてるようだから、生きてた頃の夢をみる。


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「ねえ、エールデベルト」

これは王家の船に護衛として就いていた頃だ。
昼の甲板の上、海風に靡いた黄金の巻き毛は、
さながら伝説の至宝のように煌めいた。

「船のこと、海のこと。あなたの知る世界をわたしに教えて。
 わたしは何も知らない。知らなくていいと言われてきたから。
 でも、それは嫌。もっと広い世界を知りたい」

蒼玉サファイアの瞳がおれを見る。
晴れ渡る海原の太陽より強く輝く、揺るぎない意志の光。
大波の砕ける音にも負けず、その声は確かにおれに響いた。

「わたしは自由になりたいの」