Eno.112 【空繋ぐ機装魔導師】七曜

第二章【空虚な心は鳥籠のようで】

 ある日、落雷のような銃声が聞こえた

 気になって顔を出すと、そこにはぐったりと横たわるマスターと
 それを抱きしめる黒髪を二つに結った猫耳の少女がいた

「……誰だ?」
 焦りを隠し切れない中性的な低く乾いた声、私を睨む二色の瞳
 その子がマスターの愛した"新月"だとすぐに理解して

 それがなぜかおかしくて思わず笑ってしまった

「あははっ」
 嘲笑うように見つめると
 見られるのは苦手なのか新月の焦りはより強く顔に出た

「酷いな~、"お母さん"
 私が誰だかすぐわかった癖に