Day 4 am 10:00
内なるささやきに耳を傾けた群れの何割かが北へと旅立っていった。
いのちを模してはいてもいのちではないそれらは、島の海域を出た途端ぐずぐずに崩れて空気に解けて消えたけれど。
それはまあ、いい。
よくはないけど、いい。
鳥の機構のほとんどを喪ったことで、本機は鳥散布種子としての本分を失いつつある。
それは体裁を繕う必要がなくなったという事でもある。
これは何の思考だろう。
ああ、だから違う。
鳥の大部分がいなくなって考えがすっきりしたのはとても良い。
あれは数が多い分思考が煩雑化してよくない。
ようやく私が出てこれる。
>>>
存在意義の存亡に際し、鳥散布種子は必要に駆られて超散布種子に変異した。
いのちを模してはいてもいのちではないそれらは、島の海域を出た途端ぐずぐずに崩れて空気に解けて消えたけれど。
それはまあ、いい。
よくはないけど、いい。
鳥の機構のほとんどを喪ったことで、本機は鳥散布種子としての本分を失いつつある。
それは体裁を繕う必要がなくなったという事でもある。
これは何の思考だろう。
ああ、だから違う。
鳥の大部分がいなくなって考えがすっきりしたのはとても良い。
あれは数が多い分思考が煩雑化してよくない。
ようやく私が出てこれる。
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存在意義の存亡に際し、鳥散布種子は必要に駆られて超散布種子に変異した。