ここには、大きな手術をできる環境はない。それでも脱出のため必要なモノを探している間に怪我人は発生する。
現に岩場を捜索していた際、磯溜まりに落ちた。かすり傷程度ですんだからまだいいほうだ、これで水深と落下角度が深かったらと帰ってこれなかったかもしれない。
「探索は二人一組でやること」とはこういうことだったんだ。

　倉庫に20個ほどの包帯セットがいつの間にか置かれていた、手紙に書いていた救援が来なかった場合に備えた準備の一環だろう。
[シャクネツ]を乗り越えたとはいえ次は何が来るかわからない、ここにある資源でできるすべてを考え実行することを止めるなと、僕自身に言い聞かせて氷室の側て休んでいる皆の様子を見よう。