Eno.26 アルセ・K・ディアス

漂流船

どうやらこの嵐で流れ着いたらしい。様子を見に行きたいが、今も嵐は止んでおらず流石にこのまま行くのは無謀な為天気が回復するのを待つことにする。

しかしこうなると懸念点がいくつかある、まずあの中に漂流者が居る可能性があることだ。漂流者がこれまでのように話が通じて協力出来るとは限らない、最悪の場合戦闘になる可能性すら考慮する必要がある。
正直今の俺は魔法が使えない以上戦闘能力は多少投げナイフが出来るだけでありもし相手が海賊だった場合非常に不味い発見したら即座に逃走するしか無いだろう。
……それと乗組員が船内で既に死亡していた場合はそれはそれで感染症の懸念がある、もしかしたら俺は大丈夫かもしれないが確証は無いし、俺以外も大半は人間だろうからその時は船を燃やすしか無いだろう。

もちろんこの嵐で誰も船に乗っていない可能性もあるから過度に警戒しても杞憂に終わるかもしれないが、もしもがあった場合取り返しのつかない事にならないようにしなければ。