Eno.124 諏王尊臣

■■■ 流島高校の異海遭難記 ■■■

 








(白紙)








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「…………」



「すげぇな……なんっにも思いつかん。
 タイトル捻り出した時点で限界だったか」



「どうもおれに文筆の才は無いな……。
 いや第一、楽しみは肌で感じて心に焼き付けるもんであって
 文章って形にしちまうと薄まる気がすんだよなぁ! 感情がさぁ!(負け惜しみ)」



「……」



「だからあばよ、
 流島高校の冒険記録」

<諏王はほとんど白紙の記録を焚き火台の火に投げ入れた。
 紙片は見る間に黒くひしゃげていき、唯一書かれたタイトルもじき読めなくなる>

「ダラダラと惜しんだりはしねぇから、
 生まれ変わってまた次の冒険を持ってきてくれよ。
 出来るだけ早くな」